ED治療について
1人で悩んでいないで気軽に医師に相談を!
EDとは?
村上「EDとは、Erectile Dysfunctionの略語で、男性性機能障害のひとつである勃起機能の低下のことを指します」
Uさん「同じ世代の人といつも話をするんですが、挿入できても途中でうまくいかなくなってしまう、気持ちとしては高揚しているのに、機能として持続せず、それが相手にも分かってしまい、意思疎通がうまくいかなくなるという人がいます。それもやっぱり、EDの例になるんでしょうか。」
村上「ひとくちにEDといっても、常にまったく勃起できない状態だけではなく、持続しない・満足な硬さが得られないなど、勃起が十分でないために満足な性行為が行えない状態を指します」
50~60代の半数が悩んでいる
どれくらいの人がEDの悩みを抱えている?
村上「日本では1130万人、世界では1億5200万人以上と言われていますが、私のところへも毎日、何人か相談にいらっしゃいますね。これまでのED治療は、陰茎に注射したり、器具を使ったりと患者さんの心身に負担をかける方法しかありませんでした。良い治療法がなかったので、一人で悩んでいる男性が多かったと思います。それが20年前に国内初の経口ED治療薬が発売され、その後、2剤目が登場したことにより、治療の選択肢も増え、ED治療に対する理解も広まってきました。今まで悩んでいた方にとって、明るい兆しが見えたんじゃないでしょうか?」
ストレスなど心理的原因も
EDの原因は?
村上「分かりやすく言えば、勃起は、性的な興奮が神経を解して陰茎に伝わると、陰茎の血管が拡がり血液が流れこむことによっておこります。ですから、神経系・血管系に問題があって、性的刺激がうまく伝わらなかったり、陰茎に血液が十分に流れこまなくなると、EDを発症します。大きく分けると、EDの原因は、糖尿病や高血圧といった生活習慣病などによる身体的原因と、ストレスやうつなどの心理的原因、それら両方が関係しているものの3つに分けることができます。」
Uさん「今は医学的な知識が一般の方にも知れ渡っていますけど、われわれの親父の時代には、糖尿病になったら立たないぞ、と脅し文句のように言われていたようですね。」
村上「江戸時代は、貝原益軒が養生訓に書いたように、一生のうちにできる(性行為の)回数が決まっていて、若いころにいっぱいすると、老後は哀れだぞという説があったそうです。しかし、最近は考え方も変わってきて、性機能も使わないと衰えるといわれています。その意味では、回数に限りがあるというのは誤解ですね」
Uさん「落語には、伝家の宝刀はいつも磨かないといけない、という言葉がありますね」
EDで一番、辛いのは?
Uさん「パートナーを満足させることができた、自分も満足できた、というキャッチボールがなくなることじゃないですか?大切なコミュニケーションのひとつですから。男性としても落ち込み、自信をなくしてしまいますよね。ボクのゴルフ仲間でも、視覚的な刺激などで、精神的には高揚するのだけど、いざとなるとうまくいかないという人がいます。そのときにパートナーから、またなの?みたいな冷たい視線を送られると、その日はまったくうまくいかなくなってしまうらしいんです。精神的なもんだから大丈夫だよ、って励ましたんだけど、男性はこんなささいなことをきっかけにして、EDになって1人で落ち込んでしまうこともあると思うんですよ。そんなときに、EDの原因や治療法に対する正しい知識を入手しやすい環境があることが大切ですよね」
村上「原因が心理的なものである場合は、自信を回復してもらうことが大切です。そういう意味では、安全で効果の高い経口治療薬のある今は、数回の治療でうまくいくことによって、自信を回復し、その後薬を必要としなくなる可能性もあります。ED治療に対する理解がもっと多くの人に広まって欲しいですね」
Uさん「ボクの友達で、50代になってマスターベーションのほうがいい、という人がいるんですが」
村上「マスターベーションはできても、SEXはうまくできない、という方はいます。そのような方たちもある意味EDといえるかもしれません。」
間違った思い込み払しょくできた
気軽に医師に相談を!
Uさん「今回、ボクはこうして村上先生とお話できて、少しだけ、正しい知識を学んだことで、EDに対するまちがった思い込みを払拭できた気がします。でも、男性って、友達何人かと話をする時、自分はダメなんだ、ということは知られたくないものですよね。昔ほどではないけどね、みたいについ見栄を張ってしまうんです。実際は悩んでいても、なかなか病院に行けない人は案外いるんじゃないかと思います。こういう話をみなさんに聞かせてあげて、悩んでいる人にそういう間違った知識じゃなく、EDは薬で治療できるんだから、気軽に病院にいってみようって広めてあげたいですね。」
村上「本当に治療できる時代になりました。ED治療薬の登場には感謝感激ですよ。気軽に病院には来ていただきたいです」
診察に訪れる患者さんの様子は?
村上「なかなか言い出しにくい方が多いようです。ですから、われわれ診療する側も患者さんの心理に配慮するよう心がけています」
Uさん「でも、EDという言葉は以前遣使われていたインポテンツよりも使いやすいですね。」
村上「インポテンツという言葉には人格を傷つける響きがありましたので、今はEDという言葉が用いられています。この言葉の社会的認知が高まるのいいことだと思います」
以前に比べ、相談しやすくなっている?
村上「最近は、製薬会社が運営するウェブサイトで、ED治療を行っている医院やクリニックの検索ができますから、事前に自分で調べて病院に相談に行きやすくはなっているのでしょうね。」
Uさん「それはいいですね。前もって調べてから、行けるわけですから。」
相談を受ける時に気を遣うことはあるのか?
村上「勇気を出して来てくださっていると思いますので、相談しやすいように患者さんの心理に配慮しています。なるべく感情を交えず、顔を見ないように最初は聞いてます。ほぐれてきたら、顔を見て。ぜひ、相談にきて欲しいですね」
Uさん「初めから、先生に真正面を見ていろいろ聞かれたら、なかなか落ち着いて話せませんよね。多少は勃つんですけど、なんて、ウソをついちゃうかもしれないですよ」
実際の診断は?
村上「問診や検査などを行って、原因を見極めます。その方の症状に合わせて薬を処方するようにしています。
また、一例になりますが、私のところでは女性の看護師はEDの相談だとわかれば、以心伝心で退席しますし、診療を受ける際の恥ずかしさは極力取り除こうとしています」
治療の安全性は?
村上「医師の指導のもとに服用すれば、安全性の高い薬です。ただ、正規のルート外で出回っているものには、偽薬なども含まれていると聞きますし、心臓病の治療薬であるニトログリセリンとは併用できないなど決まりがありますので、必ず、医師の処方を受けていただきたいと思います。」
パートナーと理解しあうことが大切
パートナーとの関係
Uさん「わがやは、40代のころは、彼女がまだ30代だったこともあって、夫婦関係がぎくしゃくすることもいっぱいありました。でも、人生のパートナーとして、夫婦生活が長くなるにつれて、いい感じになりますよね。。お互いの弱点を知って、そこを補えるようになってきた。今は、小さい子供がいるので、上下で分かれて寝てますが、たまに上に行ったり、下にきたりしてます。まあ、週1回というわけにはいきませんが、いい感じですよ。」
村上「お互いに理解しあうことは大事なことです。EDの治療も、パートナーの理解がとても大切です。夫婦がいろんな問題をお互いに協力して解決していけるといいですね。」
健康に留意、できることから始めよう
EDにならないように、日ごろから気を遣うことは?
村上「生活習慣病の予防も含めて、一般的な健康に留意するということで、自分にできることから気をつけていけばいいんじゃないでしょうか。ひとつだけ言えば、継続は力なり、で5分間、毎日、運動することは1週間に2時間、スポーツをやるより効果があります。電車に乗ったときに席が空いても立っているとか、会社でエレベーターに乗らずに階段を使うとか。デパートに行っても、降りるときはエスレカレータでもいいけど、上がるときは階段がいいんです」
Uさん「ボクはとくに運動はやってないんですけど、食事の時はコップに4杯ぐらい、水を飲むようにしています。水がないとご飯は食べられません」
村上「それはすばらしい。水もしたたるいい女とか、いい男という言葉はありますが、あれは長年、世の中を観察した結果の言葉ですから、当たっているんです。食事前に1杯、食事の後に1杯・3回の食事で毎日、6杯飲めば、かなり、健康になれますよ」
Uさん「あちらはどうですか」
村上「人間の性のエネルギーは睾丸から生まれるんですが、睾丸は36度、温度があると働かないので、冷やすといいと昔からいわれています。だから、2度くらい下がる体の外に出ているのです。実際は冷やすわけにはいかないので、寝るときは、すっぽんぽんで、下着をつけないでパジャマだけで寝るといいんですよ」
Uさん「ボクは子供の頃から、パンツをはいて眠れないんです。だから、年齢の割には強いんでしょうか」
村上「天性でいろいろ、悟っていらっしゃいますねえ。すばらしい」
EDで悩む男性にメッセージを。
Uさん「EDにも、勃起しないだけでなく、いろいろあるんですから、本当に相談して欲しいです。ボクもいくつか、当てはまるところがありましたから本当に勉強になったし、勇気が出ましたね」
村上「1人で悩まれている方は、ぜひ、医師に気軽に相談してください。.ED治療を受けることによって、人生が前向きになると思います。」
村上先生が診断したEDの特別なケース
- 知り合いの女性から、結婚して2年の娘に子どもができない、と相談された。診断してみると、2年間で1度もSEXしていなかった。セックスレスという時代の背景はあるかもしれないが、おとなしいご主人はその気にならない、という。奥さんにも努力を呼びかけ、薬による治療を受けることで、セックスレスが解消した。
- 83歳の男性が、50代後半のフランス人の妻に週1回、SEXを希望された。ゴルフでエージシューターを何度もやるぐらいの元気な人だが、病院に相談にみえた。治療薬を服用することで、月に何度か希望に応えるができるようになり、妻に喜んでもらい、夫婦関係がよりよくなった。
- 60歳代の男性が、パートナーとのSEXが年齢とともにうまくいかなくなった。加齢により、パートナーが痛みを伴うという。双方の抱える問題を聞き、治療薬とともに、安全なクリームを処方することによって解消した。